この人結婚するんだって。

お嫁さんもらうんだって。

 

いたずらしたら、自分から報告してきてた。

死んだ野良猫抱っこして帰ってきたりもした。

私の布団でに潜り込んできて、さみしいやろ?と言ってくれた。

ママ!って高い声も、いつの間におかん!って低くなって。

中学野球部は万年補欠で遅刻なし。

学校からの呼び出し2日おき。

 

 

高校生、弁当に3年間付箋紙で、

やめろって言われても。メッセージ書き続けた。

 

私よりはるかにまっすぐな、凛とした、心が澄んだ、

ディズニーのプリンセスみたいにニコニコして、

忘れっぽくて、声がでかくて、

おかーさん!おかーさん!って電話してくる彼女が。

あと四日でウエディングドレスを着て私の娘になる。

 

私は、彼を愛しただろうか。

人は自分が愛されただけしか愛せないのかもしれない。

だったら大丈夫だろうか。

そう思った火曜の夜、

「おかん、いろいろありがとな」

と下を向き、小さな声でつぶやく息子の横で

手を握りガハガハ笑うお嫁さん。

私はその時。

彼を精一杯愛したんだ。

彼女の笑顔が答えだと。

そう、思った。

 

親とは、子育てとは。

教育とは愛とは。

無我夢中だった。

 

おめでとう。

おまえ、ふざけたことしたら、

生きたまま追い込んでやるからな。

 

愛してるよ。